BRCA1/2遺伝子検査を検討・実施する

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BRCA1/2遺伝子検査は、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(以下、HBOC)の原因遺伝子であるBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子にがんの発症の原因となる変異(病的変異)があるかどうかを調べる検査です。この検査は、生殖細胞系列の遺伝子の変異を調べる検査(遺伝学的検査)であり、がんの病変組織/細胞に見られる体細胞変異を調べる検査ではありません。

BRCA1/2遺伝子検査には、発端者向け検査と血縁者向け検査があります。

[ 発端者向け検査(スクリーニング検査)]

乳がん、または卵巣がんを発症したことのある方を対象にした検査です。

Ashkenazi Jewishなど一部の人種・集団では頻度の高い変異がいくつか存在します。このような人種や集団では、それらの変異(BRCA1/2遺伝子の特定の部位)だけを解析することが一般的です。しかしそれ以外の人種・集団では、BRCA1/2遺伝子のコーディング領域(アミノ酸を指定している領域)の全塩基配列を解析することが基本になります。

弊社では発端者向け検査として、3種類の検査項目を用意しています。

>>>発端者向け検査(3種類)の詳細を確認する

[ 血縁者向け検査(シングルサイト検査) ]

発端者向け検査で変異が検出された場合に、そのご血縁者の方に同じ変異があるかどうかを調べる検査です。この検査を行うには、発端者で検出されている変異の情報が必要になります。

>>>BRCA1/2遺伝子検査(全項目)について必要な検体量、所要日数や注意事項を確認する

BRCA1/2遺伝子検査は、生殖細胞系列の遺伝子の変異を調べる検査(遺伝学的検査)です。日本医学会では、このような遺伝学的検査を医療の場で実施するにあたって留意すべき基本的事項と原則を「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」にまとめています。

遺伝学的検査を実施する際には、その検査の対象者と目的によって考慮する点が異なります。BRCA1/2遺伝子検査の場合には、乳がんや卵巣がんの既往歴のある方を対象にするのか、あるいは、がん未発症の方を対象にするのか、に留意する必要があります。それぞれについて、同ガイドラインには次のように記載されています。

[すでに発症している患者の診断を目的として行われる遺伝学的検査]

日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」より
3-1)すでに発症している患者の診断を目的として行われる遺伝学的検査


すでに発症している患者を対象とした遺伝学的検査は,主に,臨床的に可能性が高いと考えられる疾患の確定診断や,検討すべき疾患の鑑別診断を目的として行われる。遺伝学的検査は,その分析的妥当性,臨床的妥当性,臨床的有用性などを確認した上で,臨床的および遺伝医学的に有用と考えられる場合に実施する。複数の遺伝学的検査が必要となる場合は,検査の範囲や順番について,臨床的に適切に判断した上で実施する。検査実施に際しては,検査前の適切な時期にその意義や目的の説明を行うことに加えて,結果が得られた後の状況,および検査結果が血縁者に影響を与える可能性があること等についても説明し,被検者がそれらを十分に理解した上で検査を受けるか受けないかについて本人が自律的に意思決定できるように支援する必要がある。十分な説明と支援の後には,書面による同意を得ることが推奨される。これら遺伝学的検査の事前の説明と同意・了解(成人におけるインフォームド・コンセント,未成年者等におけるインフォームド・アセント)の確認は,原則として主治医が行う。また,必要に応じて専門家による遺伝カウンセリングや意思決定のための支援を受けられるように配慮する。

[発症前診断を目的に行われる遺伝学的検査]

日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」より

■3-2)非発症保因者診断,発症前診断,出生前診断を目的に行われる遺伝学的検査
非発症保因者診断,発症前診断,出生前診断を目的に行われる遺伝学的検査は,事前に適切な遺伝カウンセリングを行った後に実施する。
(中略)

■3-2)-(2) 発症前診断
発症する前に将来の発症をほぼ確実に予測することを可能とする発症前診断においては,検査実施前に被検者が疾患の予防法や発症後の治療法に関する情報を十分に理解した後に実施する必要がある。結果の開示に際しては疾患の特性や自然歴を再度十分に説明し,被検者個人の健康維持のために適切な医学的情報を提供する。とくに,発症前の予防法や発症後の治療法が確立されていない疾患の発症前診断においては,検査前後の被検者の心理への配慮および支援は必須である。

BRCA1/2遺伝子検査を希望する方がいらっしゃる場合には、その方の状況や貴施設内の体制などを考慮の上、次のような対応が検討されます。

(1) 貴施設で対応する

遺伝性乳がん・卵巣がんの診療やBRCA1/2遺伝子検査を実施するために必要な院内の体制作りや弊社との委受託契約の手続きが必要になります。弊社とのご契約の詳細については、「関連する指針・ガイドラインと受託実施指針」ならびに「BRCA1/2遺伝子検査の委受託契約」をご参照ください。

>>>遺伝性乳がん・卵巣がんの診療体制や医学的管理について確認する

(2) 対応可能な他の医療機関を紹介する

遺伝性乳がん・卵巣がんの診療体制が整備されBRCA1/2遺伝子検査を実施することのできる医療機関には、他施設からの紹介も受け入れる場合もございます。

>>>対応可能な医療機関を確認する

BRCA1/2遺伝子検査は、生殖細胞系列の遺伝子の変異を調べる検査(遺伝学的検査)です。弊社は社団法人日本衛生検査所協会に所属しており、同協会が定める「遺伝学的検査受託に関する倫理指針」を遵守します。

また、医療の現場で臨床検査として行われる遺伝学的検査に関するガイドラインとして、厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」や日本医学会「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」、日本家族性腫瘍学会「家族性腫瘍における遺伝子診断の研究とこれを応用した診療に関するガイドライン」があります。

弊社は、BRCA1/2遺伝子検査を受託するにあたって、前述の指針やガイドラインに沿って同遺伝子検査が実施されることを基本としています。弊社の倫理審査委員会は「家族性腫瘍遺伝子検査 受託実施指針」(2012年3月一部改定)を策定しており、弊社が同遺伝子検査を含む家族性腫瘍の遺伝子検査を受託するにあたって、遺伝子検査をご依頼になる医療機関に、必要な体制の整備をお願いしています。

>>>「家族性腫瘍遺伝子検査 受託実施指針」の内容を確認する

「家族性腫瘍遺伝子検査 受託実施指針」に従ってBRCA1/2遺伝子検査を受託するために、医療機関と弊社の間で直接の委受託契約を締結することをお願いしています。ご契約までのおおまかな流れと手続きは、次をご参照ください。

BRCA1/2遺伝子検査委受託までの流れ
1. まずは、お問い合わせください

BRCA1/2遺伝子検査の委受託契約をご希望の場合は、まずは、弊社にお問い合わせください。お問い合わせは、下記までお願いいたします。

株式会社ファルコバイオシステムズ バイオメディカル部 営業グループ
東京:03-5727-4080 京都:0774-46-2639
受付時間 平日9:00~17:30

(土・日曜日、祝祭日、年末年始はお休みとさせていただきます)
こちらのフォームからのお問い合わせも受け付けております。
2. 弊社の担当者がお伺いいたします

お問い合わせをいただきましたら、まずは弊社の担当者がお伺いして、「家族性腫瘍遺伝子検査 受託実施指針」と必要な体制の整備についてご説明いたします。また、BRCA1/2遺伝子検査の依頼に関する具体的な内容(専用の依頼書、検体のご提出・回収、検査結果の報告、費用のご請求など)についても詳しくご案内いたします。
3. ご契約の締結

「家族性腫瘍遺伝子検査 受託実施指針」では、必要な体制のご整備をお願いしています。それらの体制が書面で確認されましたら、貴施設と弊社の間でご契約(遺伝子検査委受託契約)の手続きをいたします。
4. 検査の委受託

ご契約後、BRCA1/2遺伝子検査の委受託が可能になります。あらかじめ取り決めた手順・方法で、検査をご依頼ください。

BRCA1/2遺伝子の遺伝子配列特許は、Myriad Genetics, Inc(米国、以下Myriad社)が保有しています。弊社は、Myriad社とBRCA1/2遺伝子検査に関する国内独占実施権契約を締結し、同遺伝子検査の受託サービスを行っています。弊社が受託するすべてのBRCA1/2遺伝子検査は、Myriad社からの技術移管を受けた弊社総合研究所(京都府)で行われています。