Current Topicsは、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群に関する情報の中から新しい知見や話題となっていることを1つとりあげて紹介するページです。
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今回は、日本人の家族性乳がん・卵巣がん症例を対象にしたBRCA1/2遺伝子解析の研究とその成果を反映して開発された遺伝子検査「BRCA1/2 Nセット」ついてご紹介します。
日本人の家族性乳がん・卵巣がん患者においても、
BRCA1/2遺伝子検査の臨床的有用性を確認
~BRCA1/2 Nセットの開発へ~
弊社では、2004年12月から日本国内の5医療施設と共同で、日本人症例におけるBRCA1/2遺伝子の基礎データ収集と家族性乳がん・卵巣がんを対象としたBRCA1/2遺伝子検査の有用性に関する研究を行いました。2008年10月には、その研究成果が「Cancer Science」10月号に掲載されました:
「Cross-sectional analysis of germline BRCA1 and BRCA2 mutations in Japanese patients suspected to have hereditary breast/ovarian cancer.」
Sugano K, et. al
Cancer Science : Vol.99(10):p1967-1976, 2008
論文のポイント1 日本人症例を対象にしたBRCA1/2遺伝子解析を実施
米国などでは、NCCNのガイドラインに明記されている遺伝性乳がん・卵巣がんの検査対象基準にあてはまる方々に対して、遺伝カウンセリングでBRCA1/2遺伝子検査が選択肢として提供されることが一般的になっています。しかしながら日本では、データ不足のためにBRCA1/2遺伝子検査の有用性が十分に認められていませんでした。
今回の研究では、データ不足を補うために、日本人で乳がんあるいは卵巣がんを発症したことがあり、かつ第1度近親者または第2度近親者に少なくとも1人乳がんあるいは卵巣がんの発症者がいる135症例を対象にBRCA1/2遺伝子検査(ダイレクトシークエンシング法による全塩基配列決定)が実施されました。その結果、135症例のうち36症例(26.7%)で、病的な遺伝子変異が検出されました。
論文のポイント2 日本人の変異検出率は、米国での研究と比較して高い
今回の研究結果は、同じ条件を対象にして米国の大規模調査結果と比較されました。その結果、日本人の変異検出率は、欧米人と比較して有意に高いことが示されました。![]()
- ■日本

- ■米国

- 米国のデータには、アシュケナージ系ユダヤ人の結果は含まれていません。
- ■日米比較
- 日米のデータを、被検者の既往歴および家系内の発症者の既往歴で分類した4つのグループごとに比較しました。

- 日米比較表では、比較可能な症例グループのみデータが記載されています。
BRCA1/2遺伝子検査 Nセットの開発
以上の研究結果と過去の研究報告から、日本人で高頻度に変異が検出されたBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の合計12個のエクソンを選別し、それらのエクソンのみを解析する検査としてBRCA1/2 Nセット(FBOC N-セット)を開発いたしました。BRCA1/2 Nセット(FBOC N-セット)によってこれまでに日本人で報告されている変異の87%を検出することができます。
BRCA1/2遺伝子検査は、現時点では保険の適用がなく自己負担であることから検査費用の負担は大きな課題となっています。BRCA1/2 Nセット(FBOC N-セット)は、従来のBRCA1/2遺伝子のフルシークエンス検査(BRCA1遺伝子とBRCA遺伝子で合計48エクソンを解析)と比較して、低価格で検査を実施することが可能になりました。
弊社では「家族性腫瘍の遺伝子検査受託実施指針」に基づいてBRCA1/2遺伝子検査を受託しております。BRCA1/2遺伝子検査を受託させていただくにあたっては、事前に貴施設内の遺伝カウンセリング体制について確認させていただき、委受託契約を締結させていただくことにしております。弊社との委受託契約をご検討の場合には、こちらをご参照ください。
また、本サイトでは、家族性乳がん・卵巣がんについての遺伝カウンセリングやBRCA1/2遺伝子検査について、他の医療機関からの紹介も受け入れている施設をご案内しています。 こちらをご参照ください。

