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K-ras遺伝子変異解析

K-ras遺伝子とは

K-ras遺伝子は、正常細胞では細胞増殖を進めるアクセルとしての機能を持っていますが、K-ras遺伝子に変異が起こるとそのアクセルが恒常的に働き、がん化(大腸がん、肺がん、膵がんなど)に進むと考えられています。特に大腸がんでは約40%の症例において遺伝子変異が検出されます。

K-ras遺伝子変異とセツキシマブ

抗EGFR (Epidermal Growth Factor Receptor: 上皮成長因子受容体)抗体薬であるセツキシマブ(商品名:アービタックス®)は、「EGFR陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を適応とした新規治療薬として2008年9月に承認されました。最近の研究により、K-ras 遺伝子変異陽性例ではセツキシマブの効果が期待できないことが示されており、 K-ras遺伝子変異は本剤の効果を予測する有力なバイオマーカーとして期待されています。

セツキシマブによりEGFのEGFRへの結合がブロックされ、細胞増殖のシグナル伝達を遮断することにより、抗がん剤としての効果を発揮します。しかし、下流のK-ras遺伝子に変異があれば、セツキシマブによるブロックに関り無く、下流のシグナルが恒常的に活性化し、細胞増殖(がん化)が進むと考えられています

※アービタックス®は、イムクロン社の所有する 商標です。

K-ras遺伝子変異の有無とセツキシマブ治療効果

セツキシマブ投与症例114例を対象にしたレトロスペクティブ研究1)では、 K-ras変異陰性患者78例中、セツキシマブ治療に反応した患者は34例、K-ras変異陽性患者36例中、セツキシマブ治療に反応した患者は0例でした(43.6% v 0%; P<3X10-6)。
また、K-ras変異陰性患者の無増悪生存期間(PFS)中央値および全生存期間(OS)中央値は、それぞれ32週間および14.3ヵ月であったのに対し、 K-ras変異陽性患者では、それぞれ9週間および10.1ヵ月でした(PFS:P=1.4X10-7、OS: P=0.0017)。

K-ras遺伝子変異の有無と推定生存率(無増悪生存期間)

【参考文献】
1)A. Lievre et al. KRAS Mutations As an Independent Prognostic Factor in Patients with Advanced Colorectal Cancer Treated with Cetuximab. J Clin Oncol 2008; 26:374-379

本解析の概要

検査項目名解析内容検体量保存条件所要日数
K-rasシークエンスK-ras・exon2の
コドン12、13
シークエンス解析
組織 25mg
または
病理標本
5-10μm厚を5-10枚
(未染色スライド)
凍結(組織)
または
室温(標本)
約2週間
ご出検に際してのご注意
  • 組織全体に占める腫瘍部位の割合が40%以上となるものを選び、ご提出下さい。
  • 病理標本(未染色スライド)の場合で40%に満たない場合には、腫瘍部位をマーキングしたHE染色済みのスライドと共にご提出下さい。
  • 病理標本の場合には、固定条件などによるDNA分解のため、解析不能になる場合がございます。

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