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MLPA®キットに関するFAQ

MLPA®キットに関するFAQ

※FAQは随時追加予定です。

DNA解析用MLPA®キットについて

Q1. プローブとターゲット配列との塩基ミスマッチ(SNP)は結果に影響しますか?

一般的には、ライゲーション部位周辺3~4塩基内にミスマッチがあると影響がみられる場合があり、特に、ライゲーション部位に隣接する塩基のミスマッチは、結果に大きく影響する可能性が高いです。それ以外の部位におけるミスマッチにつきましては、プローブとターゲット配列との結合安定性が大きく失われたときのみ、影響がみられます。

Q2. 各プローブの増幅シグナルの相対定量値*には、どういった要素が影響しますか?

最も影響する要素は、プローブ配列に依存する、ターゲット配列とのハイブリダイゼーション効率の違いです。また、プローブとして用いるオリゴ断片の品質も大きく影響します。さらに、PCR反応液中のKClやポリメラーゼの含有(残存)量、また、フェノール、トリゾール等の反応阻害物も影響を及ぼします。
通常、シグナルの相対定量値はDNAの出発量には大きく影響されませんが、PCR反応サイクル数を30~36サイクルに変化させることで、シグナルの定量性や増幅度(絶対値)が若干改善することがあります。
*プローブ増幅シグナルの相対定量値は、1試料中の全プローブの増幅シグナル値(面積)の総和に対する、各プローブの増幅シグナル値(面積)の割合を算出して決定します。

Q3. MLPA®キットに含まれる各試薬は安定ですか?

はい。プローブ、バッファーや酵素は非常に安定です。MLPA®キットに含まれる全ての試薬(プローブミックス、バッファーや酵素など)は、数週間室温放置にも耐え得ます。

試薬の保管、使用方法について
ご使用前2日以内であれば、プローブミックス、バッファー、PCRプライマーなどは事前に4℃で保管可能ですが、長期でご使用の予定がない場合は、-20℃での保管を推奨いたします。Ligase-65とSALSA-Polymeraseは、常に-20℃での保管を推奨いたします。

試薬のご使用前は必ず、軽めにボルテックスしていただくか、チューブをはじくようによく混合してお使いください。

Q4. どのようにして、プローブ増幅シグナルの相対的な定量解析を行うのですか?
<DNA解析の場合>
まず、1試料中の全プローブの増幅シグナル値(面積)の総和に対する、各プローブの増幅シグナル値(面積)の割合を、各プローブの“シグナル相対定量値” と定義します。次に、各プローブについて、検体DNA(患者由来ゲノムDNAないし腫瘍組織由来DNA)のシグナル相対定量値と、正常DNA(正常人由来ゲノムDNAないし正常組織由来DNA)のシグナル相対定量値の比率を算出します。欠失のある部位に存在するプローブではこの比が減少(理論値=0.5) し、重複のある部位に存在するプローブではこの比が上昇(理論値=1.5)します。

遺伝子が全領域にわたって完全に欠失している疑いがある場合
遺伝子の全領域にわたる欠失は、上記の方法では検出が出来ませんが、プローブ・セットの中に含まれる、検査対象とする遺伝子座位以外の領域を増幅するプローブを利用すれば、検出が可能です。遺伝子座位を増幅する全プローブ増幅シグナル値(面積)の合計値と、検査対象とする遺伝子座位以外の領域を増幅するプローブ増幅シグナル値(面積)の合計値の比率を算出し、検体DNA(患者由来ゲノムDNAないし腫瘍組織由来DNA)と、正常DNA(正常人由来ゲノム DNAないし正常組織由来DNA)の間で比較します。欠失が遺伝子全域に及ぶ場合には、当該比率が低下します。

<mRNA解析の場合>
まず、mRNA発現が一定と考えられる遺伝子を内部コントロールとします。次に、各プローブ増幅シグナル値(面積)と内部コントロール値との比率を、検体 RNAと正常RNA間で比較します。たいていの場合、RNA専用プローブミックスキットには、複数種類の遺伝子を対象としたコントロール用プローブが含まれています。多くの場合、beta-2 microglobulin(B2M)がコントロール遺伝子として設定されています。
Q5. MLPA解析に、パラフィン包埋されたサンプルから抽出したDNAを使用できますか?

はい。MRC社のWebサイト(http://www.mrc-holland.com/)において、ホルムアルデヒド処理検体、またパラフィン包埋組織からのDNA抽出プロトコール(MRC社オリジナル)が掲載されています。その他の手法により抽出されたDNAを用いた場合には、結果の保証はいたしかねます。

ホルマリン固定、パラフィン包埋サンプルから調製したDNAを用いる場合は、陰性コントロールDNAも、同様に処理された検体から得られたものを使用されることを推奨いたします。

また、組織中の成分(構成物)を遠心分離やフェノール抽出で取り除く前に、以下の処理を行うことが必要です:

  • ホルムアルデヒドの架橋結合を熱処理により破壊する
  • より好結果を得るために、DNAを比較的小さい断片に分解する
  • プロテアーゼ処理によってDNAを組織から遊離させる

DNAサンプル中の不純物は、PCR反応中のポリメラーゼ活性を阻害してしまいます。その場合は、使用DNA量を50ng程度に減らすことで、より良好な結果が得られることがあります。

Q6. PCR反応のサイクル数を減らすことはできますか?

はい。反応サイクル数を30~33回程度に減らすことはたいていの場合可能ですが、結果は改善しないことが多いです。基本のPCR反応プロトコール(アニーリング温度:60℃, 反応サイクル数:35)は、結果と再現性がバランスよく得られる至適条件になっています。また、PCR反応サイクルを追加(~40サイクル)した場合も、プローブ増幅断片の相対シグナル定量値はほとんど変わりません。

Q7. DNAを溶解させるバッファーは重要ですか?

はい。最初の98℃熱変性処理の間のDNA脱プリン化を防ぐために、バッファーのpHは8.2周辺であることが必要です。試料中の一部の塩やその他の不純物は、ライゲースやポリメラーゼ活性を阻害する可能性があります。DNAの溶解にはTE(10mM Tris-HCL pH8.2 + 0.1-1mM EDTA)を推奨いたします。DNAサンプルの溶解には、1mM以上の濃度のEDTA溶液は使用しないでください。

Q8. サンプルDNAの純度と品質は重要ですか?

DNAの純度は特に重要です。フェノールやトリゾール等の残遺物があると、PCR反応のポリメラーゼ活性が阻害され、いくつかのプローブ増幅シグナルの相対定量値が影響を受けるなど、解析結果が不安定になってしまいます。ポリメラーゼ活性が著しく阻害された場合は、短い断片に比べ、長い断片の相対定量値が低下しやすい傾向にあります。
DNAの品質(平均断片長)は、各増幅断片のシグナル相対定量値には大きく影響しません。1Kbp以下の長さに分解してしまったDNAサンプルであっても、良好な解析結果が得られます。

Q9. 実験ではどのようなコントロールを取る必要がありますか?

DNA解析については、異なる量のサンプルDNA(例:0/20/80/240ng ヒトDNA)を用いた解析結果をそれぞれ比較します。また、男性由来と女性由来のDNAを用いたX染色体上遺伝子のデータの比較、もしくは正常人サンプルとトリソミーのサンプルの比較なども有効です。また、MLPA反応に加える検体DNAサンプルの量を、4種のゲノムDNA判定用プローブ増幅産物のピーク(64、70、76、82bp)の波高により評価することが可能になります。反応に加えるDNAサンプの量が少なすぎる場合(~20ng)には、上記の4 種の判定用プローブ増幅産物のピークの高さは、遺伝子座位を増幅するプローブ増幅シグナルのピークよりも高くなります。

mRNA解析用MLPA®キットについて

Q1. DNA解析用のプローブミックスをmRNA定量解析に転用できますか?

可能ですが、推奨はいたしません。RNA解析用プローブと同じく、大半のDNA解析用プローブは、cDNA配列にも相補的な配列で設計されています。しかし、RNA試料中のゲノムDNA混入により、プローブ増幅シグナルが本来より見かけ上増強されてしまう可能性があります。プローブ増幅シグナルを検出するのに必要なDNA断片長は、わずか50ヌクレオチド(一重鎖)と非常に短く、DNAseI処理によっても、DNAをそれ以下に分解することは困難です。

Q2. 内部コントロールとして、rRNA(リボゾームRNA)特異プローブを用いることはできますか?

いいえ。試料中に含まれるrRNAは10~500ngほどにもおよび、通常の反応液中に加えるプローブ量を超えております。したがって、rRNAの正確な定量は不可能であり、内部コントロールとして使用することはできません。

Q3. パラフィン包埋サンプルから抽出したRNAをMLPA解析に用いることはできますか?

可能であると考えられますが、解析結果に対する保証はできかねます。(MRC社による独自検討はされておりません。)

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