着床前胚染色体異数性検査
(PGT-A)のご案内

PGT-Aのご案内

着床前遺伝学的検査(PGT:preimplantation genetic testing)とは

体外受精によって得られた受精卵(胚盤胞)から、栄養外胚葉(TE細胞)の一部を採取し、子宮に移植する前に受精卵のもつ遺伝情報を調べる検査です。

PGTには、大きく分けて以下の3種類があります。

  • PGT-A(preimplantation genetic testing for aneuploidy):全染色体異数性を確認する検査
  • PGT-SR(preimplantation genetic testing for structural rearrangement):転座等の染色体構造異常(部分欠失や重複)を確認する検査
  • PGT-M(preimplantation genetic testing for monogenic/ single gene defects):重篤な遺伝性疾患を引き起こす可能性のある単一遺伝子の病的変異の有無を確認する検査

PGT-Aとは

PGT-Aは、体外受精によって得られた受精卵(胚盤胞)から、TE細胞を5~10細胞程度採取し、次世代シークエンス(Next Generation Sequencing:NGS法)等により、染色体の異数性の有無を判定する検査です。

PGT-Aを行うことで、胚の染色体が正倍数性・異数性・モザイクのいずれかであることが推測されます。
この結果をもとに、異数性やモザイクレベルの高い胚を移植の候補から外し、より妊娠・出産の可能性の高い正倍数性やモザイクレベルの低い胚を移植することで、流産率の低下や妊娠率・出産率の向上が期待されています。

本検査で得られるのはあくまでTE細胞の情報であり、将来生まれてくる赤ちゃんの情報を100%反映するものではありません。従ってその胚を移植するかどうかは、体外受精を行う施設で慎重に判断し、臨床遺伝について専門的な知識を有する医師が患者さんへ検査結果と胚移植に関する遺伝カウンセリ ングを必ず行ったうえで、決定することになります。

PGT-Aでは臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングの実施は必須ではありません。ただし、検査実施前後に夫婦から専門性の高い遺伝カウンセリングの希望があった場合や検査を実施する医師が必要と判断した場合は、臨床遺伝専門医により遺伝カウンセリングを実施します。

* ここでの夫婦とは、法的婚姻関係のある夫婦だけでなく、事実婚の夫婦を含めた表現です。

注) PGT-Aでは、常染色体における倍数体の検出はできません。

PGT-SRとは

PGT–SRは、部分欠失や重複などの染色体構造異常を確認する検査で、均衡型構造異常を有するカップルに対して行われます。
PGT-A同様、体外受精によって得られた受精卵(胚盤胞)から、TE細胞を5~10細胞程度採取し、次世代シークエンス等により解析を行います。
構造異常のパターンやリスクは夫婦ごとに異なるため、検査前および胚の染色体解析結果が判明した後のそれぞれで、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングの実施が必須となります。

検査の対象

①反復ART不成功PGT-A
反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦
②反復流産PGT-A
反復する流死産の既往を有する不育症の夫婦
③染色体構造異常PGT-SR
夫婦いずれかの染色体構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている不育症(もしくは不妊症)の夫婦

PGT-Aの受託要件

PGT-Aを実施するためには「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査に関する見解(日本産科婦人科学会)」を遵守する必要がございます。

FALCOのPGT-Aについて

概要

検査項目 検体 保存条件 検査方法 報告日数
PGT-A 胚盤胞(TE)から
採取した
5~10細胞
凍結
(-20℃以下)
NGS法 2週間~3週間
  • ※当社では日本産科婦人科学会より承認を受けた施設からのみ受託しています。

検査パンフレットはこちら

特徴

世界的にも採用されているサーモフィッシャーサイエンティフィック社の次世代シーケンサー(Ion GeneStudio™ S5システム)を使用。

見やすい報告書
染色体コピー数チャートやKaryo Viewなど、視覚的にも分かりやすい報告書
シンプルな作業工程
シンプルな作業工程や自動判定により、ヒューマンエラーを回避
©2021 Thermo Fisher Scientific Inc. Used under permission.

充実したサポート体制

認定遺伝カウンセラー、ジェネティックエキスパート、認定臨床染色体遺伝子検査師が所属しており、万全なサポート体制が整っております。

検体回収から解析報告まで、自社でone-stop対応

当社スタッフが検体を回収するため、施設での梱包作業や発送は不要です。

施設認定

当社総合研究所は臨床検査室の品質と能力における特定要求事項を定めた国際規格ISO15189、臨床検査施設の精度管理面で世界的権威のあるCAP(College of American Pathologists:米国臨床病理医協会)の認定を取得しています。
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tubing手順書

Tubing作業中のコンタミネーションや細胞紛失等を防ぐため、参考資料としてtubing手順書を作成しております。
(IVF大阪クリニック 胚培養士 小林亮太様監修)

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